あなたも私のように自由になりませんか商法に迫る！【第376回休日会議】 | 休日会議 -小さな会社を強くするビジネス情報番組-

自由なお金、自由な時間、自由な精神状態。あなたも私のように自由になりませんか？という商法。発信メディアは時代によって変化しますが、僕が独立した当初からパターン化されている流れです。この方法は、今もなお「楽して今すぐ誰でも簡単に稼げる方法」を探している一定数のハートを掴みます。

楽して結果を出したい者同士のマッチング…とも言えなくはないのですが、結構な売上金額になる事で、目立つし、本当かもしれない！と人が集まります。情報というのは、その性質上「アングラ感」と非常に相性が良いという部分があります。怪しいけれど、これは数ある情報の中でようやく辿りついた本物かもしれない！と、自身で肯定し始める流れになったらもう抜けられません。

どこで興味関心共感を持ってもらうのか？

インナーブランディングの1つであるパーパスブランディング（自らの存在理由を社内外に広く深く認知してもらい、共感の輪を広げていく手法）という言葉が1年くらい前から方々で記事化されています。この流れに沿う事で方向性を今一度考えるのも1つです。…と、話を戻します。

自由になりませんか？という訴求の場合、ストーリー展開の大枠は以下のような流れが多いです。（特定の誰かをというわけでは全然ないです。こうした市場があるという話で読んでもらえたらと！）

苦痛の毎日だった、そこから抜け出したい、稼げる方法に出会う、半信半疑で始める、翌月には入金がある、どんどん稼げる、今では起きる時間も自由、好きな事に没頭、私と同じく苦しんでいる人を救いたい、一緒に人生変えませんか？

根強いテンプレです。本心でそう思っていたとしても、このパターンでの訴求はどうしても底の浅さが出てしまいます。

みんなもSNSで見かけた回数は1度や2度ではないと思います。この流れはマイナー変化を辿りながらも、今後も根強く展開されていくのだと思うのですが、あなたはどんな印象を持ちますか？

もちろん、スルー耐性を持っている人が99％だと思います。でも言い換えれば、100人にDMを送ると1人は反応してしまうかもしれない。なので、Facebookにも無尽蔵にメッセージとかきますよね。そういう事です。

豪華で派手な生活からの訴求というストーリーもありますが、これはウシジマ君のフリーエージェントくん編を見ると、あ〜なるほどーとなると思います。

あなたも私のように自由になりませんかモデルの利益構造にはいくつかパターンがあります。一例ですが、まとめてみました。

商品は値段がついている「何か」があれば成立してしまう恐ろしさ

① 毎月100万円稼げる方法を50万円で購入。
② 方法論はともかく、稼いだ事にして自分も毎月100万円稼げる方法を50万円で売る。
③ 2人に売れば100万円。「本当に100万円が達成できました！あなたも始めませんか？」と展開。
④ 3人に売れて150万円。「今月は早くも150万円達成！始めるなら今のうちです！」という流れ。

購入した人は②から入って、ジワジワとその母数が増えていく形になります。競合との差別化は「月収の桁数を変える」「演出を派手にする」など、それもパターンからは抜け出しきれていないので、判別はすぐにつきます。

ただ、このモデルを実践している中には、「自分が取り組んでいる事は良い事だ！」と思い込んでいる方もいます。

・学校の先生は「教育工程」を学んで、それを生徒にそのまま伝える。
・知っている事を教える事に対して、なんの罪があるのか？
・実際に自由な時間が出来て家族が円満になった。
・子供の大学進学費用が稼げた。
・このモデルは誰も傷つけない。

いろんな理由が書かれています。でも、「嘘から始まっているという事」に変わりはありません。方法論を実践するのではなく、方法論そのものを横流しで売るのでザワザワしてきます。

それでも、結果的に皆が満足していればいいじゃないか！という方もいそうです。僕は法律に詳しくないけれど、仮にこれがビジネスというのであれば、僕はとっくにビジネスを辞めているなと。

でも一方で、これが最初に学んだビジネスの型である場合、素直さ故に、なんの迷いもなく取り組んでしまう事もあるのかもしれない。溢れるほどの情報が飛び交う中で「検索エンジンの結果」や「SNSの投稿内容」は思考停止に陥りやすい側面もあります。

まずは素直に実践、それも確かに大切な事だけれども、「ビジネス」は自分で考える要素がとても大きな割合を占めます。まずは今日の音声をぜひ聴いてみてください。

「ビジネスを学ぶ→教えて利益を取る」というサイクルが早ければ早いほど、早々にビジネスは手詰まりになる事をぜひ知ってもらいたい…と、まだまだ若輩ながらも思う事があります。