ビジネス戦略として知識先行型は失敗する【小川議事録73】

20150913100651

こんにちは!アイマーチャントの小川です。

第73回休日会議は天気の話や体調の話から始まるという、英国紳士も驚きのテンプレからスタートしていますが話している内容は結構お気に入りのものだったりします。僕はいつも、何度か繰り返して聞く中で一番気になった部分をピックアップしますが、今回は何を取り上げるべきか少し悩んでしまいました。…少し悩んだ結果、今回はコレを取り上げます。

ビジネス戦略として知識先行型は失敗する

菅さんが言葉にしてくれている通り、これからビジネスを始めようと考えている方は「自分の強みを活かしたビジネスをしよう!」と考えるものですが、このモデルの行き着く先は「時間貧乏」です。自分の強みを活かせば活かすほど換えが効かなくなるので、毎日時間に追われてしまいがちです。Webデザイナーなどのクリエイターの方で例えると、理解しやすいかと思います。

時間貧乏となってしまう、このモデルから脱却するためには「うんと単価を上げて、案件数を減らす」か、「人に任せて、関わる時間を減らす」以外は方法がありません。単価を上げても成立するケースはそれほど多くないですし、単価を上げたことによって忙しくなる場合も多いので、「人に任せる」というのがカギとなります。

言葉で「人に任せる」と表現するのは簡単ですが、実際にやってみると「人にやってもらうことは、こんなに難しいことなのか…」という驚きが待っています。全ての原因は「自分の指示が悪い」という部分に行き着くので、実体験がない人が人に任せようとしても上手くいかないケースがほとんどです。

インターネットビジネス業界の流行りとして、最近はチームを組んでサービスを展開するケースが多く見られます。実際にリリースされる商品やサービスが多数あるということは、その裏で密かに頓挫している案件がそれ以上にあるということです。頓挫したケースは表では全く語られないので、存在を認識しにくい部分ではありますが、本当にたくさんあります。

以前、休日会議でも触れたことがある部分ではありますがチームを組んで1つのビジネスに取り組む時に目を向けるのは「お互いが得意分野を持ち寄ることで効率的に展開できるはず」ということです。しかしながら、案件に向けられる熱量は人それぞれですし、人が増えれば増えるほど意思の統一が難しいので、1つの案件として見ると、生地が異なる布をツギハギして作ったような不揃いなものになりがちです。これを避け、一貫性を持ったメッセージを伝えるためには全体を統括する1人の人間が必要となり、その人の作業量が圧倒的に増えてしまいます。

チームでビジネスを組む場合の難しさはこの部分にありまして、地味な作業を誰が行うのか?という実作業の面に目を向けないままスタートしてしまうことが問題です。壁にぶつかった時に全員が「自分の専門分野ではないから、誰かがやってくれるだろう。」という気持ちになってしまい、気づいたら頓挫してしまうケースが多く見られます。

そうならない時の心構えとしては「最悪、自分で全部やりきる」という気持ちを持つことです。一度、自分で全ての工程を経験してからチームを組む選択肢を考え始めることで、本当の意味での「効率化」を体験することができます。

腰を据えて1つのビジネスを取り組む場合に注意しなければいけないことは、「知識先行型で進めてはいけない」という点です。大人になればなるほど、先に勉強して知識をつけてからスムーズに進みたいと考えてしまうのですが、知識先行型でのデメリットは非常に多いので全くお勧めできません。

基本の上に応用が成り立つことは誰しも知っていることではありますが、なまじ知識を身につけてしまったことで「自分は大丈夫!」と、基礎を飛び越えて応用に取り組んでしまいます。(その結果、華麗に失敗して「このノウハウは自分には合っていない。」と、違うノウハウを探し始めます。)

『「わかる」と「できる」は違う』ということは、誰しも理解していることであるにも関わらず、1つの分野においては自分自身で体験するまで腑に落ちることがありません。知識を身につけた上で実践してみたものの、経験してみると全く別の感覚を得ることは多々あります。逆に知識が全くない状態で先に経験して、その後に知識を知ると不思議と腑に落ちる経験をした人も多いはずです。

一昔前と比べると、今はビジネスを教えてくれる人が非常に多くなったように思います。そういった意味では親切な人が増えているのかもしれませんが、そのせいで行動に移せなくなっている人もいるのではないか?と考えることがあります。

副業で取り組む場合でも、本業で取り組む場合でも関係なく、「ビジネスを立ち上げる」ということを特別なことだと考えてしまう人が多いのですが、何も特別なことはありません。至って常識的な考えで、1つずつ歩みを進めることで誰にでも立ち上げることができるものです。ビジネスを立ち上げるために必要なものは誰もが既に持っています。

既に遠回りをして、様々な知識を身につけてしまった人もいるかと思います。その場合は、その知識を捨ててしまいましょう。新たに知識を身につけるより、一度身につけた知識を捨てることの方が苦しいものです。「いつか役に立つかも…」と考える気持ちもわかります。

ですが、経験を伴わずに知識だけを身につけたものは、役に立つケースより、有害であることの方がずっと多いです。(知識として知っているから自分で実践しないなど。)思い返してもらえると、きっと思い当たる部分があるはずです。まずは実践ありきで、壁に当たってからアドバイスを求めるぐらいの感覚が一番良いです。

少し長くなってしまいましたが、本編はこちらからどうぞ!

⇒ ビジネス成功の秘密は13年間変わらない●●を徹底しているから。【第73回】